自社の社員に有望な人材を紹介してもらうリファラル採用。
対して縁故採用も、その企業の関係者の紹介を経て採用する方法のため、中にはリファラル採用と縁故採用の具体的な意味合いや違いがピンと来ていないという方もいるかもしれません。
この2つにはどのような意味や違いがあるのでしょうか。
また縁故採用と聞くと、社内の重役が血縁者を採用させる手段として、あまり良いイメージを持っていない方もいるかもしれません。
確かにリファラル採用と縁故採用には明確な違いがありますが、一概に縁故採用はデメリットばかりの採用方法だとも言えません。
縁故採用とは具体的にはどのような意味合いで使われる言葉で、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
そこで今回は、縁故採用の意味やメリットについてまとめます。
縁故採用やリファラル採用を考えている方は、その意味や違いについて参考にしてみてください。
縁故採用とは
縁故採用とは、企業の関係者が自分の知人や血縁者を紹介・採用する方法です。
よくドラマなどでは会社の重役が自分の子どもや親戚を採用させるような意味合いで使われることが多いワードですが、実際には血縁者でなくても縁故採用と言います。
また同時に「紹介=採用が確定」といったイメージを持っている方も少なくありません。
しかし実際には紹介そのものはあれど、そこから採用試験や面接を行い自社にマッチする人材だと判断が下されれば採用、といった流れを取る縁故採用も存在します。
しかし中にはドラマのイメージのように、紹介の時点で採用が確約される場合、面接や採用試験をほとんど行わず採用される場合もあります。
「どの程度免除されるのか」は紹介の流れやその企業の判断によっても変わるため、この点も知っておきたいポイントです。
リファラル採用とは違う?
縁故採用と混同されがちなのがリファラル採用です。
リファラル採用とは社員が求人にマッチすると考えられる知人を紹介し、人事担当者が採用試験や面接を行なった上で採用する方法です。
大まかな流れは縁故採用と似通っているため、中には「リファラル採用は縁故採用をカタカナ語で言い換えたもの」だと思っている方もいるかもしれません。
しかし、リファラル採用と縁故採用には大きな違いがあります。
縁故採用:企業の重役の親類や仲の良い知人を人事に紹介する方法
リファラル採用:社員の知人で求人にマッチした人材を人事に紹介する方法
縁故採用は「企業が求める人材にマッチすること」だけではなく、個人の関係性や情が根付いている場合も少なくありません。
しかし、リファラル採用の場合は社員の知人であれど、あくまでも「企業が求める人材にマッチすること」は大前提。言わば「採用試験を受けるためのパス」を紹介という形に置き換えた採用方法です。
縁故採用は優秀な人材を確保するための手段の1つ
こうして見ると、縁故採用はネガティブイメージも強くあまり良い採用手段ではないように思われるかもしれません。
しかし、縁故採用も上手く活用すれば優秀な人材をよりローコストで確保する手段として役立ちます。
例えば新卒社員を2名採用しなければいけないシーンで、就活サイトに求人を掲載すれば100人の応募がある企業Aがあったとします。
就活サイトを利用した場合、人事担当者は100人の面接や採用試験を行わなければいけません。応募者は学歴も資格・経歴もさまざまで、それらを人力で見定めていく作業が必要です。
しかし、縁故採用であれば新卒に求めたい学歴・資格の持ち主をストレートに紹介してもらえる可能性があります。
この場合、見定めるべき人材は数人ほどで、あとは面接などを経て人格等を見極めていけば良いだけと、就活サイトを活用するよりも大きくコストカットできます。
採用活動のコストカットという面で、縁故採用は非常に大きな意味を持つでしょう。
縁故採用のメリットは?
ここでは縁故採用のメリットについてまとめます。
・自社にマッチする優秀な人材をローコストで見つけやすい
・自社の雰囲気に合う人材を確保できる可能性が高まる
・採用活動に必要な時間を大幅にカットできる
・内定辞退や退職のリスクが低い人材を確保できる
縁故採用は「社員の紹介」が軸となるため、通常の採用活動よりも金銭的・時間的なコストを大きく減らせます。
特に紹介する人物が家族や仲の良い友人であれば紹介した社員がその人物の内面をよく知っており、通常の採用面接では見られない「素の部分」も採用前に窺い知ることも可能です。
また縁故採用だからこそ辞退率や退職率は大きく下がる上、入社後の教育も円滑に進みやすくなります。
そのためより縁故採用はよりスピーディーに自社にマッチする人材を採用する方法として、大きなメリットを得られるでしょう。
デメリットは?
一方で、縁故採用にはデメリットも存在します。
・紹介した社員が上層部の人間だと不採用にしづらい
・人員を大量採用したい場合はかえって時間が掛かる
・縁故採用だと判明すると他社員からの反感を生む場合も
縁故採用は「自社にマッチすると思われる人材の紹介」を軸に考えればメリットはありますが、実際はそう上手く行かないパターンもあります。
確かに紹介者が現場を知る社員で、自社の雰囲気にマッチしていると判断した人材であれば恩恵を得られる可能性は高まります。
しかし「ただ役員が自分の子ども入社させたいだけ」の場合はマッチしない可能性があることはもちろん、上司の紹介だからこそ不採用にもしづらいですよね。
また縁故採用のネガティブイメージは未だ根強く「マッチする」と判断して採用しても、縁故採用だと判明すれば現場に不和を生み出す可能性があります。
そのため、縁故採用を行う際は社員全員が縁故採用の正しい仕組みやメリットを浸透させておくことが大切です。
縁故採用を行う場合の注意点
実際に縁故採用を導入する場合、いくつかの注意点を守る必要があります。
ここでは縁故採用を行う上での注意点や事前の準備のポイントについてご覧ください。
社内周知を事前にしておく
メリットの多い縁故採用が実現したとしても、社内イメージが悪ければ人間関係が原因で採用した社員が早期退職してしまう恐れがあります。
そのためまずは縁故採用に関する社内周知を事前に徹底しなければいけません。
社員に周知する内容やポイントは以下の通りです。
・なぜ縁故採用を行うのか(メリットや目的)
・紹介の上で採用の際はちゃんと人格やスキルの有無を見ていること
・扱いや待遇面について他社員と同等に扱うこと
縁故採用に対するネガティブイメージが強くあるからこそ、縁故採用の仕組みや目的を周知させることで、採用後の不和も解消できるでしょう。
またこの周知とともに「自社の求める人材にマッチする知人がいれば人事に紹介して欲しい」と周知し、リファラル採用の併用を考えていくのも方法の1つです。
公平性を担保するルールを決める
縁故採用がいくらメリットのある採用方法と言えど、紹介のみで簡単に採用が決まればそこに不信感を抱く社員もいるでしょう。
そこで、縁故採用の場合も決まった選考ルールを決め、あくまでも公平でより良い採用を目指せる基盤を作っておくことも必要です。
縁故採用の場合はどのような選考フローで採用の可否を判断していくのかはもちろん、評価制度を他の社員と一定に定めていることも周知しておきましょう。
例えば縁故採用で入社した社員が本当に優秀で、他の社員を差し置いてどんどん出世した場合。
公平に評価された結果だったとしても、その事実が見えなければ「縁故採用だから先に出世したんじゃないか」と不満や誤解が生まれる場合もあります。
だからこそ、公平な評価であることを明確化し説明できる管理体制を作り上げておくことが大切です。
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採用はあくまでも過程で、ゴールは優秀な社員をより多く・長く働いてもらうことです。
この採用方法は1つの方法や王道の採用手段にこだわる必要はなく、臨機応変にさまざまな手法を活用して、優秀な社員を確保していきましょう。
その手段の1つが縁故採用です。
縁故採用はより優秀で自社にマッチする人材を確保できる採用手段の1つとして注目されつつあります。
もちろん縁故採用の場合は本当にその人が優秀で自社にマッチする人材かどうかを見極めるため、採用面接や面談を行う必要があります。
この日程調整をより低コスト・スムーズに行うため、日程調整ツール「スケコン」を活用するのも良いでしょう。
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面談・面接をより円滑に行えるツールを活用して、よりスムーズに採用活動を進めていきましょう。
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