【ヒトとトキ #14】ソーシャルセリング第一人者のウィルゲート吉岡諒さん「限られた時間の中で活動量を増やすには、人の力を借りることも大切です」

その業界の第一線で活躍する仕事人の時間術・仕事術をお伺いする企画「ヒトとトキ」。今回は、ウィルゲート専務取締役COO・共同創業者の吉岡諒さんにご登場いただきます。

デジタルマーケティングのコンサルティング事業、ITWEBに特化したM&A仲介事業などを展開する「ウィルゲート」。専務取締役COOであり共同創業者の吉岡諒さんは、高校を卒業して3日で起業したという経歴の持ち主です。現在、同社は16期目を迎え、160名の規模にまで拡大。世界最大級の意識調査機関GPTWジャパンが実施する「働きがいのある会社」調査ランキングで、9年連続ベストカンパニーに選出されています。各方面に活躍の幅を広げる同社の設立のきっかけから、忙しい中での時間の使い方までお聞きしました。

受験の挫折が、起業の原動力に

――現在のお仕事の内容を教えてください。

吉岡諒さん(以下、吉岡さん) ウィルゲートは、SEOコンサルティングとWEB記事作成支援を中心に、デジタルマーケティング全般のコンサルティングを行う会社です。最近では、成長中のベンチャー企業に対してデジタル化支援、WebIT領域のM&A仲介支援「Willgate M&A」、ソーシャルセリングを活用した営業支援などの新しいソリューション提供も手がけており、私はCOOとして全サービスの管掌役員を務めています。

――小学1年生からの幼馴染の小島梨揮さんとともに高校卒業後3日で起業。2006年、19歳で株式会社ウィルゲートを設立されていますよね。どのような経緯で起業することに?

吉岡さん 学生時代は、中学2年のときに読んだ『ラブひな』という漫画をきっかけに東大を目指して勉強を頑張っていました。しかし、高校1年生の時に父が病気で亡くなり、経済状況が大きく変わってしまって……。母からも「大学1年目の学費は出せるけれど、2年生からは自分で工面しなさい」と言われ、そのときにお金を自分で稼がなければいけないという意識が芽生えました。しかし、肝心の東大受験には失敗、仲の良かった友人はみんな合格という悔しさを味わったのです。

そんな悔しさと、お金を自分で稼がなければならないという思いが重なり悩んでいたときに、「インターネットビジネスで起業しよう」と声をかけてくれたのが、小学校1年生からの幼馴染の小島でした。高校を卒業して3日目には自分で法務局に行き、お年玉の貯金でパソコンを2台購入して会社を始めましたね。

――現在は、「ソーシャルセリング」や「SEO」の領域を強みに活躍する吉岡さん。SNS上の発信において大切にしていることはありますか?

吉岡さん SNSで発信する上で大事なのは、「自分はどのように認知されたいのか」というキャラ設定です。人は価値観や思いに触れるとファンになるという点と、何に詳しい人として認知されたいのかを逆算して投稿する点がポイントとなります。

オフのときも探究心を持ち、学び続ける

――そんな吉岡さんの1日と1週間のスケジュールを知りたいです! タイムスケジュール表を用意したので、こちらに書いてもらえますか?

吉岡さん 1日のスケジュールはこんな感じです。6時に起床し、Facebookメッセンジャーで社外の方に返信したり、社内ではSlackの返信を行ったりしています。家族で朝ごはんを食べて715分には娘を小学校に送り、8時には会社に移動。9時分から19時までは、約1時間ごとにミーティングですね。

――けっこう細かくスケジューリングされているんですね。

吉岡さん そうですかね? 基本的には111件前後のアポイントが入っています。その合間を縫って、SNSの時間も確保していますよ。その後はというと、19時から21時までは会食。さらにその後は2時までデスクワーク。2時からはAmazonプライムやNetflixでアニメを見てお風呂に入って3時に就寝します。時間は前後しますが、このような1日を1週間繰り返しています。週間スケジュールを書き出すとこんな感じです。はたから見れば、ハードなのかな(笑)。

――ええ、かなり。多忙でありながら父としての顔も持つ吉岡さんですが、家ではお子さんとどのように過ごされていますか?

吉岡さん 家では「探究心を持ち、学び続ける」ことを教育方針としています。会社で経営理念や行動指針って大切なので、家でもそういう指針があった方がいいと思いまして。たとえば、娘が「なぜ青い果物がないの?」と聞いてきたら「青は空と同じ色なので、鳥や動物からは見えにくくて発見しづらい。そうなると、種子をさまざまなところでまくことができない。だから青い果物は少ないんだよ」と説明します。娘の疑問に対して全部調べて、フィードバックすることを大切にしていますね。ちなみにこの画面は、娘の教育方針を可視化したものになります。

――えっ……! 普通ここまでしますか!?

吉岡さん プライベートも仕事と同じように全力で取り組むタイプなんです(笑)。性格上の問題です。

仕事はフォーマットを用意して、部下に任せる

――日々の中で、とくに注力している時間はありますか?

吉岡さん SNSに向き合う時間は、私には欠かせません。SNSの時間配分はiPhoneのスクリーンタイムの通知機能で管理しています。1カ月の活動時間のうち、FacebookMessenger1日に約500通来るので、返信に54時間、Facebook自体の閲覧や投稿に38時間ほど使い、Twitterには34時間も費やしていますね。なので、合計126時間をSNSに捧げています。18時間働いている方からすると、私のSNS稼働だけで15日分ぐらいになりますね(笑)。

――相当な時間をSNSに費やしているんですね! ほかの案件を含めて膨大な仕事量だと思いますが、どうやって仕事をこなしているのですか?

吉岡さん キャスター社のキャスタービズというオンライン秘書サービスを使いながら、さまざまな仕事を依頼しています。私自身が1カ月に350時間働きながら、オンライン秘書に自分の仕事を130時間分外注しているんです。合計で480時間、2人分の活動量になっているという仕組みですね。限られた時間の中で活動量を増やすには、人の力を借りることも大切だと思っているので。

――仕事を任せるときに意識していることはありますか?

吉岡さん 一例ですが、事前にフレームワークのフォーマットを用意して、「空欄部分を埋めてきてね」という風に具体的に指示を出すようにしています。部下に仕事を任せられないというのは上司が思っているだけで、結局は仕事の任せ方次第。部下はみんな、優秀なので、どう部下に頼るかが重要だと思っています。

とにかく行動することが、大切

――高校卒業直後に起業されてずっと努力を続けてこられたと思いますが、どうしてそこまでできるんですか?

吉岡さん 自分の原動力の一番根底にあるのは、「達成欲」です。これは、「ストレングスファインダー」という才能診断ツールを受けて発見しました。実際に、朝起きた瞬間から達成欲に突き動かされてひたすら仕事しているんですね。ほかにも「社交性」や「自我」という項目が当てはまり、どれも私自身を構成する要素として欠かせません。

――吉岡さんのような起業家を目指したい方に向けて、メッセージをお願いします。

吉岡さん まずは、自分自身にやる気を持って取り組めることを見つけることが大切です。やりたいことがなく、やる気がなくてだらだらと生きている人も多いと感じています。料理の作り方がわからないならレシピを見ればいいように、わからないことがあればできる人に聞けばいい。とにかく行動しましょう!

――時間の使い方について、アドバイスするとしたら?

吉岡さん う〜ん、たまたま私はからだが強い方で、2009年にインフルエンザで会社を休んで以来、12年間病欠なしでして。だからこんなスケジュールでも問題なく過ごせていますが、絶対に真似しない方がいいですね(笑)。ぜひ、からだと心をを大切に、情熱的に生きていきましょう!

――なるほど(笑)。まずはからだ第一ですね。吉岡さん、今日はありがとうございました!

Profile

吉岡諒(よしおか りょう)

株式会社ウィルゲート 専務取締役COO・共同創業者。
1986年岡山生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。代表取締役小島と共に2006年に株式会社ウィルゲートを設立。個人として累計で2,000社のWebマーケティングの課題解決提案を実施。2012年に記事作成「サグーワークス」、2014年にメディア「暮らしニスタ」、2018年にはSEOのAIツール「TACT SEO」、2019年にはオンラインで編集チームが作れる「エディトル」、M&A仲介支援サービス「Willgate M&A」をリリース。2021年はソーシャルセリングの支援を開始。COOとして全サービスの管掌役員を務める。

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