日程調整にかかるコストを試算するイメージ
この記事でわかること読了目安 約3分
  • ステップ1:1件あたりの工数を測る
  • ステップ2:件数を数える
  • ステップ3:人件費に換算する
  • ステップ4:機会損失を見積もる
  • ステップ5:削減後の姿を示す

「日程調整に時間がかかっている」という実感はあっても、それが年間いくらの損失なのかを説明できる人は多くありません。ツールの導入を提案しても通らないのは、たいていここに理由があります。

この記事では、日程調整にかかる工数とコストを試算し、社内で説明できる数字にする方法を解説します。

ステップ1:1件あたりの工数を測る

まず、1件の調整に実際どれだけ時間がかかっているかを分解します。感覚ではなく、1週間だけ実測してみてください。

工程 目安
自分と関係者の空きを確認する 3〜5分
候補日をメールに書き出す 3〜5分
返信を待って確認する(1往復) 2〜3分
候補が外れて再提示する 5〜8分
確定してカレンダーへ登録する 2〜3分
会議URLを発行して送る 2〜3分
合計(往復1回の場合) 15〜20分
合計(往復2〜3回の場合) 25〜40分

「メールを書く時間」だけを数えると過小評価になります。確認・待ち・切り替えのコストまで含めるのが要点です。

ステップ2:件数を数える

次に、月に何件の日程調整をしているかを数えます。カレンダーの予定数から逆算するのが簡単です。

  • 営業職 … 商談・訪問・オンライン面談。月30〜60件
  • 採用担当 … 面接・面談。月20〜80件
  • 管理職 … 社内会議・1on1・部門間調整。月20〜40件
  • 士業・コンサル … 相談・定例訪問。月20〜50件

ステップ3:人件費に換算する

導入前後で工数を比べるイメージ

時間を金額に換算します。年収から時間単価を出すのが最も説明しやすい方法です。

時間単価 = 年収 ÷ 年間労働時間(約1,800〜2,000時間)

年収600万円なら、時間単価はおよそ3,000円

この単価で、調整にかかっている時間を金額にします。

試算例(営業10名・1人あたり月40件・1件20分の場合)

月間の調整時間:40件 × 20分 × 10名 = 8,000分 ≒ 133時間
月間コスト:133時間 × 3,000円 = 約40万円
年間コスト:約480万円

数字にすると、判断が変わります。「なんとなく面倒」だったものが、人件費として見えるようになります。

ステップ4:機会損失を見積もる

工数だけが損失ではありません。調整に時間がかかることで失っている機会のほうが、金額としては大きいことがあります。

正確な数字を出すのは難しいので、「仮に10%改善したら」という形で幅を持たせて示すのが現実的です。

ステップ5:削減後の姿を示す

自動化した場合、どこがゼロになるかを工程ごとに示します。

工程 導入後
空きを確認する ゼロ(自動抽出)
候補日を書き出す ゼロ(URLを送るだけ)
往復・再提示 ゼロ(相手が選んで確定)
カレンダー登録 ゼロ(自動登録)
会議URL発行 ゼロ(自動発行)
URLを送る 1分
合計 1〜2分

1件20分が2分になれば、削減率は約90%です。先ほどの試算例なら、年間約480万円のうち400万円以上が別の仕事に回せる計算になります。

提案するときの注意

  • 実測値を使う … 一般論の数字より、自社で1週間測った数字のほうが説得力があります
  • 過大に見積もらない … 削減率100%は現実的ではありません。例外対応は残ります
  • 導入コストと並べる … 削減額とツール費用を同じ表に置く
  • 定着までの期間を見込む … カレンダー運用の徹底に1〜2か月かかります

導入後に測る指標

  1. 接触から確定までの日数 … 最も分かりやすく改善します
  2. 1件あたりの調整時間 … 導入前と同じ方法で再測定する
  3. 往復回数 … メールのやり取り数で数えられます
  4. 無断キャンセル率 … リマインド自動化の効果が出ます

まとめ

日程調整のコストは、1件あたりの工数 × 月間件数 × 時間単価で試算できます。この数字を出すだけで、社内での議論の質が変わります。

まずは1週間だけ実測してみてください。想像していたより大きい数字が出るはずです。改善の具体的な手順は日程調整を自動化する方法、ツールの選び方は日程調整ツールおすすめ比較36選にまとめています。

あわせて読みたい

スケコン|日程調整と同時にオンライン名刺交換。連絡先データはCSVで書き出し可能