- 取締役会の日程調整が難しい3つの理由
- 解決策1:年間で先に枠を押さえる
- 解決策2:臨時開催の段取りを型にする
- 解決策3:カレンダーの重なりから自動で抽出する
- 当日と事後の運営
取締役会の日程調整は、社内のどの会議より難しい部類に入ります。参加者は最も予定が埋まっている人たちで、しかも法令や定款で定められた手続きが絡むため、「空いている日に入れる」だけでは済みません。
この記事では、取締役会の予定調整でつまずきやすい点を整理し、年間での枠取りから当日の運営までを効率化する手順を解説します。
取締役会の日程調整が難しい3つの理由
理由1:全員の予定が最も埋まっている
役員は社外の会合、出張、他社の取締役会を抱えています。直前に空き枠を探しても、まず見つかりません。社外取締役や監査役が加わると、さらに難易度が上がります。
理由2:招集通知に期限がある
取締役会の招集通知は、原則として会日の1週間前までに発しなければならないと会社法で定められています(定款でこれを短縮している会社もあります)。つまり日程は、少なくとも通知期限より前に確定していなければなりません。自社の定款で期間がどう定められているかは、必ず確認してください。
理由3:秘書を介した多段の調整になる
各役員の予定は秘書が管理していることが多く、秘書間のやり取りが1往復1日かかります。人数分の往復が直列で発生するため、候補日が流れるたびに数日が失われます。秘書側の段取りは秘書の日程調整・予定調整を仕組み化する方法にまとめています。
解決策1:年間で先に枠を押さえる

最も効果が大きいのは、都度調整をやめることです。前年度のうちに翌1年分の開催日を決め、全役員のカレンダーへ入れてしまいます。
- 定例開催日を固定する … 「毎月第3火曜 15:00〜17:00」のように曜日で決める
- 決算・株主総会から逆算する … 決算承認や招集決議が必要な回を先に固定する
- 予備日を同時に押さえる … 各回の翌週同曜日を予備として仮押さえしておく
これをやると、調整対象は臨時の取締役会と、やむを得ない振替だけに絞られます。年12回のうち10回の調整が消える計算です。
解決策2:臨時開催の段取りを型にする
M&Aや重要な契約など、臨時の取締役会は急に必要になります。そのときに慌てないための型を用意しておきます。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1. 期限を決める | 「いつまでに決議が必要か」から逆算し、開催可能な最終日を出す |
| 2. 候補を絞る | 全役員のカレンダーの重なりから、条件に合う枠を機械的に抽出する |
| 3. 一斉に打診する | 秘書へ順番に聞かず、同じ候補を全員へ同時に投げる |
| 4. 定足数で判断する | 全員そろわなくても、定足数を満たせば開催できる回かを確認する |
| 5. 通知を出す | 確定と同時に招集通知と資料を配布する |
「一斉に打診する」が効く理由
秘書へ1人ずつ順番に確認すると、往復が直列につながって日数が積み上がります。同じ候補を全員へ同時に投げれば、待ち時間は最も遅い1人ぶんだけになります。これだけで数日短縮できます。
解決策3:カレンダーの重なりから自動で抽出する
役員全員のカレンダーが社内で共有されているなら、空き枠を目視で突き合わせる必要はありません。条件を指定して重なりを抽出すれば、候補は一瞬で出ます。
社内メンバーだけで完結する場合は「社内予定調整」の使い方、社外取締役や監査役など外部の方を含む場合は「複数人で予定調整」機能の使い方が該当します。外部の方には登録不要の回答URLを送れるため、秘書間のメール往復を1本のURLに置き換えられます。
当日と事後の運営
- 資料は3営業日前までに配布する … 当日に読ませない。議論の時間を確保する
- オンライン参加の可否を明確にする … 出張中の役員が参加できるかで出席率が変わります
- 議事録の作成担当を先に決める … 取締役会の議事録は作成・備置が求められます
- 次回日程をその場で確認する … 全員がそろっている場だからこそ確定できます
オンライン開催のツール選定はオンライン会議システムの選び方【2026年】を参考にしてください。
やむを得ず変更するとき
役員の予定は動きます。変更が必要になったら、分かった時点ですぐ連絡し、代替候補を複数出してください。伝え方は日程変更のお願い・お詫びメール例文にまとめています。予備日を先に押さえてあれば、この連絡は「予備日へ振り替えます」の一言で済みます。
まとめ
取締役会のスケジュール調整は、年間で先に押さえて都度調整をなくすことが最大の打ち手です。そのうえで臨時開催の型を用意し、打診は順番ではなく一斉に行う。これだけで、調整にかかる日数は大きく変わります。
役員の予定を預かる立場での実務は秘書の日程調整・予定調整を仕組み化する方法、調整全体の仕組み化は日程調整を自動化する方法で詳しく扱っています。


